遠賀の特産品といえば「レンコン」。一昔前は、そう言われていたそうです。
現在町内でレンコンをつくる農家は2軒のみとなってしまいました。
「今日は天気がよいから畑にこんね」とレンコン農家の辻さんに誘われ、慌てて駆け付けました。
雨が降り過ぎると土が緩み、晴天が続くと土が固まったりして状態が悪いので、なかなかレンコンの収穫には適さないのだとか。
雨が降った後の晴天だったので、この日が収穫適期だったようです。
畑を訪れて驚いたのは、クワの柄の短さです。30cmぐらいしかありません。
どうやって使うのかというと、刃の部分に自分の体重をゆっくりかけながら、土にクワを入れます。レンコンに触れる感触があると、掘り起こすという感じです。
言葉にすると簡単ですが、実際にやってみるとどこにレンコンがあるかわかりません。
傷がついたらB級品になるといわれるとますます手が出せなくなりました。
「レンコンの気持ちを考えんといけん」といわれるように、親芋から子・孫と数珠つなぎにできるレンコンには、法則性があるそうです。
一回の作業では、そこまでわかりませんでしたが、指導を仰ぎながらなんとか、無事収穫することができました。
レンコンの収穫作業は、11月から3月まで続きます。
1.5mぐらいの幅が残してあるのは、その間に残ったレンコンが種芋となって、次年度にまた伸びてくるのだそうです。収穫作業がそのまま次の作付け準備になっているわけです。
レンコンづくりのいいところは土の中に貯蔵できるので、好きなときにマイペースで作業できることだそうです。
しかし、レンコンの需要がもっとも多いのは12月。
収穫作業は寒さとの戦いです。10分置きに手を温めないと作業にならないそうです。
6月~7月の除草作業も機械が使えないので大変だとか。改めてレンコンづくりの大変さを感じました。
今回収穫されたレンコンは、遠賀町の学校給食に使われるそうです。直売所の「やさい畑」にも出荷しています。
辻さんいわく、レンコンは採れたてが一番美味しく、1日で味が落ちてしまうとのこと。
皆さんも採れたての新鮮なレンコンを一度味わって見てください。